復元実績

復元実績紹介

復元屋の実績

戦後復興の流れの中で、モザイクタイルの北米輸出を開始。トンネル窯の導入や石炭から重油への燃料の転換など、業界の中の新しいトピックスに対し、早期に取り入れていった。大手タイルメーカーと取引を開始し、磁器質床タイル製造に特化し、経営を拡大。さらに、技術力を活かし床タイルのみならず外壁タイルの生産も開始。

以来「波光DX」、「ガルーシャ」など多数のオリジナル商品を開発。以降は歴史的建造物の復元の依頼が増え、日本工業倶楽部会館、イタリア・ミラノのサンフランチェスコ教会、両国国技館、東京丸の内駅舎、東京中央郵便局など国内の歴史的な建造物のタイルの復元を手がけるなど挑戦を続ける復元屋(株式会社アカイタイル)の事例の一部です。

東京駅丸の内駅舎(東京都)

戦災で消失した3階部分を復元(増築)する為に、場所によって色合いの異なる下階に合わせた色調整に加え、詳細なディテールや手触り感までも再現することを求められた。(色合いは、微妙に異なる数色を作成し、張る場所の2階部分に合うように混合して対応。手触りやディテールは、原料の加工方法から成形方法までを見直して再現した。

日本工業倶楽部(東京都)

大正時代に造られたの古い既存のタイル壁面を部分的に残す為、接続する新しい壁面に張るタイルにも経年変化で汚れた感じを再現し、見た目の違和感を少なくすることを求められた。(汚れに近い色合いの顔料を調合しタイルに不均一に混ぜることで、要望した設計士にも満足のいく出来のタイルを造り上げた。)

サンフランチェスコ教会(ミラノ)

ジオ・ポンティ設計のミラノにある教会の外壁タイルを復元。綺麗な形状を出すことが困難な四角錐の三次元タイルだが、裏面の彫り込みを工夫することで壁面への接着性を最大限高めながら元の意匠を再現。

KITTE(東京都千代田区)

東京都丸の内にある、日本郵便が初めて手がけた商業施設KITTE(東京都中央郵便局)のタイルを復元。使用された形状は約60種類で6万個に登り、その全てにレール施工用の裏足を付けた。裏足の加工には専用の切削器を造り、職人が半年間毎日手作業で削った。長年タイル業界にいる人間でも「こんな形状がプレスで出来るんですか?」と言われるような、きれいな弧を描いたタイルR平タイルは、非常に難易度が高い復元である。

揚輝荘(愛知県名古屋市)

揚輝荘は名古屋市覚王山の丘陵地にあり、松坂屋初代代表の伊藤次郎左衛門祐民氏が1918年から20年を費やし、3万5千㎡の広大な敷地に、大小三十の建物を移築や新築をしたもの。その中の『聴松閣』と云う揚輝荘を代表する洋館の内装タイルを復元した。一辺が12㎜のとても小さなモザイクタイルで、成形も釉薬掛けも高度な技術を要した。そして、ユニット化する紙張り作業には色合いが偏らないように、目地板にひとつずつ詰めるという職人の技と気力が必要な作業であった。

本田邸(愛知県岡崎市)

徳川家康に仕えた徳川四天王の一人、本多忠勝の子孫で、最後の岡崎藩主となった本多忠直の孫にあたる本多忠次の邸宅。昭和初期に東京都世田谷に建てられたものを移築するにあたり、内装や玄関の装飾、水周りのタイルを復元した。慎重に色合わせを行い、現場の皆様にも大変満足いただけた。