無いものは
タイルコラム
2021年01月22日
タイルには黒や茶のゴマのような粒が入っているものがあります。これは「擬石」と呼ばれる原料で、主にタイルのデザインとしてベース原料に練り混まれます。様々な色や大きさがありますが、コンマ数ミリの小さなものしかないタイプもあります。大きな原料から粉砕し、ふるいにかけてコンマ数ミリに仕分けしているので、大きなタイプもあると思うのですが、これが売っていない。
ある現場の見本焼きで茶色い擬石を使用したのですが、お客様からもっと大きな擬石にしてほしいと要望がありました。ただ、望まれる大きさの擬石は持ち合わせがなかったので、今回作ることにしました。小さな原料を乳鉢で磨り潰しさらに小さくしていきます。そこへ水と、粘り気を出すためCMCと呼ばれる”のり”を混ぜ合わせ、さらに磨り潰すこと30分ほど。茶色い液体ができました。元々は白いベース原料に茶色い擬石を練り混んでいたのですが、液体になりできなくなったのでスプレーガンで塗布することに。
上:磨り潰した茶擬石を掛けたもの 下:元々の茶擬石が入ったもの
上記写真は比較するベース原料の色が異なるのでわかりづらいですが、上部のタイルの方が見た目上は大きな茶粒に見えます。ただ、少し色が薄くなったような印象のため、顔料を入れて少し濃くしないといけません。まだまだ調整は続きます。