首都圏某所 補修タイル
復元事例
2020年06月23日
首都圏某所にて、小口サイズの補修タイルを作成しました。
こちらは還元焼成という焼き方をしたタイルです。
(白台紙上で割れているタイルとその下2枚:現場のタイル、台紙の下及び周りのタイル:補修タイル)
焼きものが好きな方はご存知かもしれないですが、
陶磁器の焼き方には主に酸化焼成と還元焼成があります。
簡単に説明しますと、
酸化焼成は燃料と酸素のバランスが良い完全燃焼で、
還元焼成は酸素が不足する不完全燃焼となります。
還元は陶芸として見ると、想像しえない色が出たりと非常に面白いのですが、
決まった色を要求される補修タイルではそうはいきません。
ただ、経験を重ねていくことで写真のような、
現場タイルに似た風合いのタイルが小ロットでも製作できるようになりました。
色々なタイルを製作する中で、
初めはそんな色はできないと技術側から言われたことも多々ありますが、
何回も試験を重ねて出せた色もありました。
焼き物業界は歴史が長いので、様々な固定概念が蔓延しています。
釉薬の色はこれが限界とか、このクオリティーで精一杯だとか、焼きものはこういうものだとか。
ただ、このように何でも限界を作ってしまうと、この先は無いような気がしてなりません。
何でもやってみてから判断するというのは、
口で言うほど簡単ではないですが、
概念に縛られずに自由な発想を持ち続けたいものです。